古本屋は暴利か

現在、都内だけでも毎月のように幾つかのアパート展が行なわれている。それは一見盛況である。珍らしい古本はますます高価になり、そういう品物に限って言うと高いけれども確実に売れてしまう。お客様はその古本の高価なることを嘆くようになった。お客様によっては、「古本屋は暴利」と うことになる。実を言うと、「古本屋は、高い、暴利」と言われる、 いわゆる 目玉商品は、売れないなら売れない方がいいのである。何故なら、古本屋には二冊持っている本などないのである。売って得た金でその同じ本を新刊本屋のようにたとえ八掛で仕入ょうとしても、その本はもうないのである。 その同じ程度の品物に、彼は一生のうちにもう一度めぐり合うかどうかさえ分からないのだ。